1993年に始めたそろばん教室も、もうすぐ22年たちます。
同じ教材で、同じようにキツイ指導で、今時の大事に育てられている子ども達がよく続けてくれるなあ、と感心します。
年長や小1から中学、高校まで続けてくれる生徒もいて、長い子は10年以上通ってくれます。
学校などでは、直接指導しながらこれほど長期間の成長を見られる機会はないでしょう
英才教育をするつもりはないので、入れるのは年長さん以上。
競技会や検定試験の成績を競う気もないので、やる気満々の子も、のんびりの子も、それぞれのペースで上達できるようにするのが目標でした。
検定3級以上を全員が目指せるように、基本の姿勢と指使いには厳しく指導してきました。よその教室より、基本のテキストが多く、のんびりしていると中々進みません。
早い子はどんどん進めるはずだし、理解の遅い子でも確実に上達できる方法だと信じてやってきました。
それでも、数年前までは、検定試験に合格するまでにとても時間がかかりました。
検定試験は、内容の改訂により難度が低くなって合格しやすくなったはずなのに、なかなか3級以上に合格させるのは大変でした。
1級以上段位に挑戦するのは、よその教室から移ってきた生徒ばかりの状態でした。
検定試験の会場では、よその教室の小学生が多く、中学生以上で受験することが多いうちの生徒は、「周りが小さい子ばかりだったよ」と愚痴を言ってました。
けれど最近は、小学生で検定試験に挑戦する生徒が増え、今年度は3人の小学生が教室のテストで1級に合格しました。
そのうちの1人は、検定にも合格して巣立って行きましたが、残りの2人は段位検定に挑戦すると言ってくれました。
段位検定は、自分の限界にまで挑戦するテストです。
もうこれ以上は無理!というところまで頑張って欲しいと思います。
これほど上達が早くなったのは何故だろう、と自分でも不思議です。
教材もキツイ指導法も20年来変わっていません。
基本の教材も、従来通りたくさんやらせるどころか、同じ教材をもう一度やらせることもあります。
これが良かったのかもしれません。
基礎の教材は、どうにかこうにか終わっただけでも、以前は次に進んでいました。
でも最近は、完全に自分でできるまでマスターしていなければ、もう一冊同じ教材をやってもらいます。
そうすると、簡単な問題に戻るので、スラスラとできます。
それが自信につながり、前に悩んでいた問題も難なく進めるようになっています。
5になる数と10になる数の練習をする最初のテキストでつまずく生徒が時々います。
これが理解できないと、そろばんができません。
案の定、そろばんの最初のテキストでも珠の動かし方が覚えられず、なかなか進みません。
できなければ、数のテキストも、そろばんのテキストも、算数計算のテキストも、同じテキストを何度でもできるまでやらせます。
内心、これ以上もう無理かも、と諦めかける頃、スルッとできるようになります。
10歩進んで9歩戻りながらでも、少しずつ進んでいたのです。
そんな生徒の中にも、小学生のうちに検定試験が視野に入っている子がいます。
普通の生徒の何倍ものテキストをこなし、行きつ戻りつしながら、わからないで困った顔を繰り返しながらも、いつの間にか上達していたのです。
できる子はできるなりに、できない子はできないなりに、自分の能力を信じて自分で伸ばせる生徒がたくさん育ってきました。
これが、22年間教室を続けてきた一番の成果だと思います。
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